肝臓機能の基礎知識

肝臓の疲弊は身体の疲労にも繋がる

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肝臓が疲れていると、体も疲れてしまうと言う事があります。肝機能が低下したら、肝臓が疲れていると言いますがそれだけではありません。最終的には肝臓の疲労は全身の疲労に繋がっているのです。

それではなぜ、肝臓が疲れると体も疲れてしまうのか?肝臓と体の繋がりを見ていきましょう。

アンモニアの大量発生で疲れが生じる

肝臓が疲れるとアンモニアが大量発生する事になります。通常であれば、体内で発生したアンモニアを処理して無害化する事ができます。しかし肝臓機能が低下していると、アンモニアを解毒する事が難しくなるのです。

アンモニアがミトコンドリアの邪魔をする

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肝細胞にはミトコンドリアが存在しており、エネルギーを生成してくれています。そしてアンモニアの処理をするのもまたミトコンドリアの働きとなっています。エネルギーが生成されていれば、体を動かす力となりますので疲れも出にくい健康状態になります。

しかしアンモニアの量が増えすぎてしまうと、ミトコンドリアの働きが阻害されてしまいます。結果的にミトコンドリアはエネルギーを生成する力が低下してしまい、アンモニアを処理する力も低下していきます。こうなるとエネルギーが不足してしまいますので、体にも疲れという形で症状が現れてくるようになります。

負のループに入り込むと大変

アンモニアの処理には、ミトコンドリアが作り出すエネルギーが必要となりますので、しっかりとエネルギー生成をしてもらわなければなりません。しかしアンモニアが増えると、エネルギー生成が難しくなりますので、負のループに入ってしまうのです。

  • 肝臓が疲れる→
  • アンモニアが大量発生する→
  • アンモニアを処理しきれなくなる→
  • ミトコンドリアのエネルギー生成力が低下する→
  • アンモニアを処理しきれない→
  • エネルギーが生成できない・・・と言ったループになってしまいます。

このような状態にならない為にも、肝臓を疲れさせないようにする工夫をしながら生活しなければなりません。

肝臓の負担を減らそう!肝機能を低下させる5つの原因

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肝臓というのは500以上もの仕事をしてくれる優れた臓器です。たくさんの仕事を熟してくれる反面、様々な器官と関わっているという事から肝臓の負担も大きなものとなっている可能性があります。

簡単に言えば、不摂生をすることによって肝臓が通常よりも余計に働かなければいけなくなると言うことです。こういった日々が続くと、肝臓も処理能力が落ち始めていきますので、どんどんダメージを受けていきます。結果的に肝臓が疲れてしまい、いわゆる「肝機能低下」という状態に陥るのです。

それでは具体的に、どういった原因で肝臓の機能低下を引き起こすのか見ていきましょう。

肝機能低下の原因と肝臓への負担

暴飲暴食

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たくさんの量を一気に食べる、飲むという事をしていると過剰に栄養を摂取している事になります。肝臓は栄養を処理する働きをしていますが、過剰摂取した栄養を処理するのはとても時間がかかります。

食べ物から摂取した、タンパク質を分解する時に発生する毒性物質もたくさん出てしまいます。さらに、エネルギーを生成する為の働きを抑制してしまう事にも繋がります。

つまり、暴飲暴食によって栄養を処理する時間が増えてしまい、有害物質が発生してエネルギー生成も間に合わなくなるという事です。

運動不足

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体を動かさない事が多い場合には、末梢の血液がなかなかスムーズに巡らなくなります。血流が滞ってしまうと、血液が汚れてしまいますので肝臓では血液をキレイにする為に処理が行われます。

しっかりと血流が確保されていれば、肝臓は余計な働きをする必要がありません。運動不足によって、肝臓を疲れさせているという事が一目瞭然です。

過度なアルコール摂取

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アルコールは肝臓で分解されるものですが、過剰に飲み過ぎてしまうとその作業に追われてしまい、肝臓が疲れ果ててしまいます。アルコールを分解するときには、アルデヒドという有害物質が発生します。

アルデヒドは肝細胞に存在しているミトコンドリアの働きを阻害します。つまり、細胞の健康や体を動かすエネルギー源を生み出す力が低下すると言うことです。

適量であればアルコールも問題なく分解できますが、過剰に飲んだ場合にはこのように肝臓への負担がかなり大きなものとなってしまうという事になります。

ストレス過多

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ストレスを感じると少しでもリラックスさせようという事で、交感神経が緊張状態に陥ります。肝臓は副交感神経によって動いていますので、ストレスを感じると肝臓の働きも低下してしまいます。

また交感神経が緊張する事によって、内臓にある血液の量が減ってしまうと言う状態に陥ります。そして肝臓の血液量も減りますので、負担がかかってくるようになります。

過度な運動

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運動不足は問題になりますが、実は過度な運動も肝臓の疲れを招いてしまいます。特に筋肉運動が過度に行われてしまうと、アンモニアが大量発生してしまい肝臓はアンモニアの処理に多くの時間を費やす事になります。

さらにアンモニアは、エネルギーの生成を邪魔してくるので体の疲れも招きやすくなります。

まとめ

肝機能が低下するということは、肝臓をたくさん働かせているという事であり、結果的に肝臓が疲労している状態という事になります。

暴飲暴食、運動不足、過度なアルコール摂取、ストレス過多、過度な運動これらの原因によって、肝臓機能は酷使されてしまいます。つまり、不摂生をしているとこのような状況に陥ると言うことです。

肝臓機能が低下すれば、肝臓で有害物質を無毒化する事が出来ない、エネルギーの生成が間に合わない、脂肪を分解出来ないと言った問題が発生してくるのです。健康的な生活を送れば、肝機能も低下する事はほとんどないでしょうし逆に不摂生をすれば肝機能が低下していくと言う事なのです。

肝機能は本当に大切!肝臓の主な4つの働き

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体の中で肝臓というのはどういった働きをしているのか?という部分が、肝臓の事を知る上で1番重要な事となります。私たちの体にとって、なくてはならない臓器である肝臓の様々な仕事ぶりについて、お話をしていきましょう。

肝臓の主な働きについて

エネルギー源の供給と貯蔵

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脳の働きと言うのは生命維持に必要不可欠なものとなっています。そんな脳のエネルギー源となっているのが「ブドウ糖」だと言う事はご存じでしょうか?そしてそのブドウ糖(グルコース)を、脳に供給する役目を持っているのが肝臓です。

脳は起きている時も眠っている時も常に働いている状態ですから、24時間絶え間なくエネルギーを与えなければいけません。肝臓はそんな脳の為に、いつでもエネルギー源を供給できるようにグルコースを「貯蔵」しておくことが出来ます。

もしもエネルギーが不足していると言う事態に陥っても、肝臓には貯蔵してあるグルコースがありますから、脳も安心して活動する事が出来るのです。

注意

肝臓の中で貯蔵しておく時は「グリコーゲン」という形に変換してありますが、エネルギーとして放出するときにはグリコーゲンを分解して「グルコース」にすると言う仕組みになっています。

代謝機能で栄養素を送り届ける

食べ物から栄養を摂取して、体の機能を保つのが人間というものです。しかし食べた物は、そのまま体内で栄養素となって吸収されるわけではありません。

まず栄養分は胃と腸で消化されて、そのあと肝臓に送られていきます。肝臓では「代謝」が行われ、体の各器官に必要な栄養素に形を変えてから送り届けられます。

つまり、体の各器官というのは「脳ではAの栄養が必要」で「血液ではBの栄養が必要」というように、それぞれに欲しい栄養素が異なります。その要望に肝臓が細かく応えてあげるというのが、「代謝機能」というものなのです。

解毒作用で健康を守る

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体の中に有害なものが入り込んだ場合に、肝臓の働きによって無毒化し「解毒」してあげる事で健康を守る事ができます。

有害物質とは

アルコールやアンモニア、食品添加物やばい菌、服用した薬などが有害物質とみなされます。アルコールは飲酒によって体内に入り込みます。

アンモニアは栄養の代謝時に発生するものや、運動のやり過ぎで発生するものがあります。病気などを改善する為に飲んでいる薬も、体の中に入ったら有害物質と考えられて解毒されます。

様々な働きをもつ胆汁を生成する働き

肝臓の中では、コレステロールと胆汁酸という物質で「胆汁」を生成する事ができます。胆汁は様々な働きをしてくれるものなので、体に必要不可欠な存在となっています。

胆汁の働きとは

脂質を消化吸収する働きと、古い赤血球と微量金属などの不要物を体外へ除去する働きを持っています。そして血中コレステロールの濃度を正常に保つために、管理する役目もあります。

胆汁は胆嚢の中で貯蔵されており、体に脂肪分が入ってくると胆管から十二指腸と小腸に放出されていき働き始めます。

肝臓ってどんな臓器なの?

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肝臓という臓器についてあなたはどのくらいの知識を持っていますか?

基本的な知識として、肝臓がどういった臓器なのかを知っておくと良いでしょう。ここでは、肝臓について分かりやすく丁寧に説明をしていきますので、肝臓の事を知るきっかけにしてもらえればと思います。

肝臓ってどこにあるの?

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肝臓は体の右寄りの上腹部に存在しています。肝臓の3分の2くらいは右半身にあり、前からみて肋骨の下にそのほとんどが隠れている状態です。さらに一部分は横隔膜にくっついていますので、呼吸をすると肝臓も一緒にその動きに合わせて上下しています。

ですから一般的に、肝臓の場所を示すときには右上の腹部を指してあらわすことが多くなります。

重さ

成人男性で「1200~1400g」成人女性で「1000~1200g」という重さが基準となっています。

しくみ

肝臓には動脈と静脈以外にもう1つ「門脈」という血管があるので、全部で3つの血管が存在しています。人間の体をくまなく巡っている血液ですが、胃腸・膵臓・脾臓などの腹部内から送られる血液というのは、必ず「門脈」を通ってから心臓に戻っていきます。

約3000億個もの細胞から生成されており、重さも最大で1.5㎏程になりますので体の中で1番大きな臓器だと言われています。

沈黙の臓器と呼ばれる理由

肝機能が正常な場合であれば、肝臓の80%を切除しても自身の力によって修復をしつつ更に肝臓の役目もしっかりと勤め上げます。そして半年もすれば、肝臓の大きさは元通りになるのです。

肝臓に何かしらのトラブルが起きたとしても自覚できるような症状がほとんど無いので、黙々と肝臓は働き続けてしまいます。そして健康診断などで、肝機能の低下が発見されると言う事がよくあります。

つまり、知らぬうちに肝臓を酷使していたという事になります。しかし自分で肝臓が機能低下を起こしているという事を確認するのはなかなか難しいので、このような背景から「沈黙の臓器」と呼ばれるようになったのです。